教育業界ならではの退職理由
教育業界を去る教員や塾講師たちの「辞めるきっかけ」とは
生徒よりも保護者への対応が大変
教育業界で活躍する人の中には、「教育者として生徒の指導にあたりたい」という強い思いを抱いている人も多くいます。とくに教員や塾講師の場合、子どもが好きだったり、誰かの成長をサポートできることに喜びを見いだせたりする方が大半です。しかし、実際に教育業界に入ってみると、そこには理不尽な保護者の姿が。保護者のうちのほんの一握りではあるものの、過剰な対応や理不尽な要求をしてくる、いわゆる「モンスターペアレント」の対応は神経をすり減らすものがあります。生徒への指導や教育にやりがいを見いだせとしても、モンスターペアレントとのやりとりや対応に疲れてしまい、教育業界を去ることを決断する人もいるのです。
労働時間の調整が難しい
働き方改革が進んだことで、教員の働きやすさはひと昔前よりもずいぶん改善されました。それでも、ゆとりある勤務体系が整うまでは至っていません。部活の顧問として土日出勤する機会は多いですし、年度の切り替え時期や繁忙期には残業が続くこともあります。若いうちは気力と体力でカバーできますが、年齢を重ねるとそうもいきません。タイトなスケジュールをこなすのがしんどいなと思ったのをきっかけに、辞めることを決意する人もいるようです。子どもがいる方の場合、家族との時間調整がしづらいことから、教育業界を辞める決断をする人もいます。特に、塾講師は夜間勤務になるケースがほとんど。家族との生活リズムが合わず、退職に至ることもあります。そのほか、夏期講習や合宿の際に、生活リズムが乱れるのがしんどいという意見もあるようです。
成長が得られにくい
教員や塾講師として活躍する場合、教育者としての成長はもちろん見込めます。同じ教育業界での転職であれば、次の職場もすぐに見つけることができるでしょう。しかし、「心機一転、別の業界でチャレンジしたい」ということであれば、話は別。教員や塾講師のスキルを教育業界以外で活かすのは、思っている以上に難しいことかもしれません。業界をまたいでの転職活動は、難航することも想定しておいたほうが良さそうです。教育業界での活躍期間が長ければ長いほど、その傾向は強まる可能性も。教育業界で働き続けることに不安を感じている人のなかには、「若いうちに将来性のある業界へ転職しよう」と考える人もいます。他業種への転職の場合、児童発達支援や放課後デイサービスなど、教員の経験を活かせる介護・福祉業界を選ぶ方も多いようです。
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